
今日もどこかでキシンの家が絶えるだろう。
キシンの技は一子相伝。時代におくれ、淘汰されれば消えゆくのみだ。
だが枯れ葉がおちて芽吹くように。
あらたな「鬼の子」は誕生する。
彼らはごく自然にキシンの技をつかう。あるいは独学をはじめる。
まるで何者かに導かれるかのように深く、遠く、わけ入って行く。
そしてある日突然、自分がしていることの意味を――自分が何者なのかを知る。
キシンは、望まれて生まれてくるのだ。
この世のあらゆる存在は、心(シン)・魂(コン)・魄(ハク)にわけられる。
ハクは、かたち。
怨嗟と安定。呪いと祝い。天地わかれて時をうみ、対立矛盾をもたらすもの。
コンは、いのち。
陰きわまって陽となり、陽きわまって陰となる。地を孕ませる天の稲妻。求め、あたえ、循環するもの。
シンは、こころ。
因縁正起が綾なす頂点。内にも外にも見つからず、ソトにもウチにも実感するもの。
シン。心。真。芯。神。信。審。深。森。新。進。震・・・・・・。追えば無数の顔を持ち、眼をそむければ収束する。
神代より、「キシン」と呼ばれるものたちがいた。
さ迷う魂魄のシンを起(き)し、戸惑う魂魄のシンを帰(き)す。
世界のへりを逍遥し、ただよう魂魄をすくいとる。おち逝く前に連れ戻す。
それが、キシン。
だから――――アマツモリからこの宇宙を起したのは鬼神なのだ、と堂里は伝える。
現代では、そんな神話を真面目に信じているものはいない。
かつてキシンが担った仕事のほとんどは、科学や医学が引きついだ。
より高度に、よりただしく――より詳細に。
霊、占い、幻視、無意識・・・
いまやキシンはオカルトとなった。
たしかにそこにあるのだが、誰もが出会うわけではない、世界の影との交渉者。
健全で幸福な人間は近づかない。かかわらない。興味をもつ必要がない。
それでもキシンを求めるひとは、いる。
増えはしないが減りもしない。決して絶えることがない。
つまりこの世は破れてるのだ。誰かが、わりを食わねばならない。
誰かが、つくろってやらなければならないのだ。
そこにあたしの誇りがある。
これがあたしの選択。 あたしの仕事。
あたしの、日常――――
外に出ると、あたりはすっかり日が暮れていた。
逢魔が時である。
丸安百貨店の存する鳶山橋商店街は、もとは遷都計画の一端としてつくられた公営市場のひとつである。
ああだこうだで遷都が中止になって、定都大の医学部が近くにあるうちは客足もあったが、キャンパス移転ですっかり遠のいたとかなんとか、ヤスノリが言っていたような・・・どうだったっけ?
とにかく、アーケード内はシャッターを下ろしてしまっている商店がめだつ。
閑古鳥である。
まばらな人影をのせた路面電車がゆっくりと角を曲って行く。
その向こうに見えるオフィス街が夕闇に明るく、別世界のように浮かんでいた。
人ごみが苦手なあたしはこの景色がすきだ。落ち着く。
幡多川の流れを聞きながら鳶山橋の中ほどまで来たあたしは、ふとふりかえってアーケード入り口の電線を見あげた。
まっ黒い鳥がとまっている。
あたしがじっと見つめると、カラスはぷいと横を向いた。
いや、ちがう。
――片目で、こちらを見返しているんだ。
あたしは思わず微笑む。
そばを通りかかったカップルが不思議そうにあたしと電線を交互に見た。
顔をねじまげてうかがう男の腕を、女がひっぱるようにして通り過ぎる。
電線にはもう、何もいなかった。
あたしは、ふたたび歩きだす。
だんだん速度をおとし、もう少しで橋を渡り終えようとするところで歩くのを止めた。
欄干に寄りかかり、うす闇ただよう川面を眺めおろす。
11月も半ばになったばかりだが、今年はすでに初雪が舞った。
鼻の頭が冷たい。吸い込む夕暮れの川風には、冬の厳しさがしのびいっている。
・・・おじいちゃんもキシンだったのか。
ぷんすかしながら丸安に乗り込んだあたしだったが、出てきた今はしょんぼりしていた。
ウチの家系で、キシンはあたしひとりだとずっと思っていた。
祖父はあたしが一歳になる前に死んだ。だからあたしには祖父の記憶がない――残ってない、と思う。
小津乃正治はいったいどういう経緯でボールを手に入れたのか。初枝夫人の日記の写しにも、そこまでは書かれていなかった。
『
六月二日、明方ヨリ雨。深夜、小津乃正治ヨリ『金ノ鞠』届ク。鞠ハ『蛙』ノ求ムル物ナレバ重々注意セヨトノ事。 ゴ無事ヲ、祈ル。
――――帰神ナレバ其ノ居所、容易ニ摑マセズ』
初枝夫人が正治を捜し、その身を案じていたと読める記述である。
つかませず、ってどういうことなんだろう?
50年前に、妻の身辺に不審を覚えていた男は、日記に別の意味を見出したようだ。
ヤスノリが明かしたところによると、箕面庄蔵は義理の甥が手配師だったからではなく、そこに「小津乃」がいたから――あたしがキシンだったから、丸安に依頼をだしたらしい。
箕面庄蔵は言外に、あたしを抹殺する意思をはっきり示したという。
・・・もしあたしが死にたくないのなら、「金のまり」をあるべき場所に返し、首なし騎士を倒すしかない、ということも。
いわゆる「宮さま」から経済人に転向した箕面家は、水面下でさまざまな思想団体や圧力団体とのつながりがある。小娘ひとり、誰にも知られず始末するのは朝飯前だ。
ヤスノリもいろいろ抜け道を考えたようだが、選択する余地は最初からなかった。
あたしは「カエル」と戦わなければならない。
ボールを返そうと返すまいと、そもそもの発端となった「小津乃」を差し出すことでしか、首なし騎士を鎮めることはできない――――それが箕面庄蔵の言い分らしい。
どうしてそう確信するのか。具体的な理由を箕面はあかしていない。
しかし間違いなく、あたしと騎士とは見えない糸でつながっている。今ではあたしもそう感じることができる。
まったく、肝を冷やしましたよ――そういいながらもヤスノリは胸をはっていた。
「・・・しかし、三月の期限は半年に伸ばしてもらいました。
それからライカさんが騎士を討ち取った場合、今後一切お構いなしとの確約も取りつけてきました」
当面の役に立たない譲歩を引き出せただけだ・・・
自分でも意地がわるいと思うが、この状況ではついそう考えたくなる。
それよりなぜだろう。
どうしてかあたしは、箕面庄蔵の殺意のかげに――――なんていうか・・・・ゆがんだ愛情めいたものを――――感じてしまうのだ。
庄蔵は、何かの感情を訴えている。
それは、深い孤独・・・哀しみのような?
うまく、名付けられない。
ヤスノリに話を聞いた直後から、あたしは見えない薄紙のようなものが、はらりはらりと自分に投げかけられているのを感じるようになった。
あるいは――蜘蛛の糸。
ひとつひとつはかすかだが、降り積もると思わぬ重さでまとわりついてくる。
あたしは、全身をなでまわすような呪縛をちぎりとる。
見えない糸束の先にいるのは、あの首なし騎士なのか・・・いや、庄蔵だな。
――――ぬくもりが、ほしいの?
死骸にむらがる鳥のように、キシンはさまよう魂魄をさぐりあてる。
ひきよせられてゆく。
――なんてこった。
とまどい、反撥しながら、あたしはもうこの事件を「つくろい」はじめている。
映り灯が徐々にめだち始めた川面を見下ろしながら、つめたい風を吸いこんだ。
十五で家を飛び出して二年と半。都会暮らしにもようやく慣れた。
定都(じょうと)の住人は、他人に必要以上の関心をもたない。寂しいときもあるけれど、あたしには水があう。
この街では助けをもとめ、声をあげても誰もふり向かない。
そのかわり、人と違うといってとがめるものもいない。
たとえ野たれ死にしようと、あたしはここで生きてゆくんだ――――
・・・なーんて粋がって出てきた街だけど。
今日何度目かの深いため息を吐いた。これじゃホントに野たれ死にだよ。
銀行融資の停止、手配師組合からの追放――箕面庄蔵は丸安にも圧力をかけてきたという。
あのヤスノリが言いぬけるどころかぐうの音も出なかったらしい。まあ、あいつは日ごろの言動が「アレ」だから・・・。
叩けばほこりが舞い上がる、どころじゃなかったんだろう。 ちょっと同情する。
それにしても。
あたしの思考はふたたび箕面の周辺をまわりはじめる。
甥に圧力をかけてまであたしを死に追いやろうとする庄蔵の妄執は、いったいどこからくるのか。
そもそも、「痴情のもつれ」である。
しかも、三角関係の相手は女も含め、すでにこの世にいないのだ。
――なんであたしなんだろ?
会ったこともないじいさまに、祖父に遺恨があるので死んでもらいます、といわれてもなあ・・・。
しかも同時に求められてもいるらしい。矛盾もいいとこだ。
ずいぶん気に入られたものだが、あたしのほうじゃ、名前すら印象に残らなかったのだ。
まるで、わざと忘れたみたいに。
眼を、そらせていたみたいに。
いや、まてよ。
なんか――――って感じもするけど?
なんか、のあとに思いついたことばをその場で打ち消す。・・・いくらなんでも、それはないだろうな。
ヤスノリは、トミタ専務に箕面の内情を洗わせているところだと言っていた。
あたしは小柄で丸顔の、人の良さそうなトミタ専務を思い浮かべる。
専務としては虎の尾を踏む思いだろう。行き届いたひとだが荒事むきではない。
「失せ物さがし」の名人なのです――――
むかしヤスノリがそう言っていたけど、今回のは失せ物とは違うし・・・。
それでも、どこかに「穴」を見つけねば早晩そろって窮地に追い込まれる―――期待してますよ、専務。
あたしは思わず橋の上で手をあわせる。
帰宅途中のサラリーマンがはっとこちらを見る気配・・・いかん、また誤解をまねくふるまいをしてしまった。
もちろん、あたし自身も動くつもりだ。箕面に監視されてるだろうから、たいしたことはできないけれど。
・・・あ、そうだ、水台先生に連絡しなくっちゃ。
もう、おそいか。
腕時計を見ると17時30分を少しまわるところだった。
南部行き最終電車が出たころだ。
先生はいつものように腕組みをして、しかめつらで寝ようとがんばっているところだろう。
先生が実家にもどってしまう前にたずねたいことがあったのだが、ヤスノリのところで思わず手間どってしまった。
急にむずむずっときて、あたしはくしゃみをする。
冷えてきた。遠くの川面はすでに黒い。
南にかかる恵比寿橋のむこうに、繁華街のネオンがきれいに映っている。
結局、丸安で神器はもらえなかった。
「・・・どういうわけか剣だけが、出回ってないのです」
しつこく請求をくりかえすと、ヤスノリはしぶしぶそう白状した。
「鏡や珠は、いつもどおりの流通量なんですけどね」
「そんなことってあるの?」
「うーん・・・ま、いまは一から鍛えさせることも考えています」
それでは期限に間に合わない。とはいえ、騎士と戦うのになまくらでは心許ない。
首なし騎士対策、箕面の尻尾さがしに加え、神器さがしもしなくてはならなくなった。
しかし、剣が見つかったとしても、丸安を通さないなら自腹を切ることになる。そうなったら、定期をくずさないといけない。
ちなみにギャラは1万7千円プラスあたしの生命・・・まったく、今回の事件はふんだりけったりだ。
ん?まてよ、ヤスノリが箕面にこっそり追加料金を請求しているかもしれないぞ。
うん、おおいに、ありうる。あとでオオシタさんに確認してみよう。
――――それにしてもヤスノリ。
なんかヘンだったな、あいつ。
あたしは、墨色の濃くなった空を見上げた。
端をななめに切り取る電線に、カラスはみあたらない。
何食わぬ顔であたしをセメント工場に向かわせたけど――――
もしかするとあいつ自身は、事の成り行きをかなり気にしていたんじゃないだろうか?
それならミカさんやヨージ君の不自然な態度にも説明がつく。
ヘタな芝居をしていたけれど、ふたりともトミタ専務が何をしに行ったのか知ってたみたいだったし。
ミカさんが、あたしの剣を気にしたことなんて今まで一度もない。彼女にとって、竹刀袋はキシンのマークにすぎない。
ピヨコは・・・もしかしてヨージ君なりの気遣いだったのかな?
ヤスノリって、いつも自分の世界にいるように見えるけど、ヨージ君とはいろいろ話したりするんだろうか。・・・ミカさんとも。
あーあ!
考えるだけくだらない。ヤスノリのやることってホントわからない。
ヘンだよ、あいつ。
わざと話をこんぐらがらせて。
おじいちゃんのことをあたしから隠そうとして。
隠してどうにかなるものでもあるまいに。自分の尻にも火がついているのに。
まったくもう・・・
殺されそうだから一緒に戦おうって、ストレートに言えばいいのに。
――――
何もかもライカさんを大事に思えばこそ、の選択ですよ――――
おもいがけない大きさで、ヤスノリの声がよみがえった。
まぼろしの「糸」をかいくぐって、また別の感触が舞い降りてくる。
あたしは電線のすきまをにらんだ。
・・・冗談じゃない!
落ちてくるほのかな感触をはらいのける。
大きなお世話だ。それって、活かすも殺すもあんた次第ってことじゃない。
わかってる。あんたはただ、「トロフィー」が欲しいだけなんだ。
あたしは、何度もあたしをつつもうとする優しい感触をつきはなす。
あんたには「まだ」、あたしは要らないでしょう?
与えるふりして求める男に、あたしは応えるつもりはない。そりゃ・・・
そりゃ、さすがに・・・
今回は、ちょっとだけ困ってるけど――――。
そんな取りとめもないもの思いにふけっていたから、隙があったのだろう。
異様な気配に、あたしは欄干からはっと身を起しかけた。
絶え間なく吹いているはずの川風が、ぴたり、止んでいる。
これは――――。
どこからか、まるで石鹸の香料のような薬くさい匂い。
橋をおおうあまったるい香りに包まれて、あたしは眼を川面から中空に泳がせた。
宵闇に、いつのまにか重苦しい白いもやがかかっていて数メートル先が見渡せない。
そして、音――――。
カッ、ダンダンダンダンダンダンダン、
ダッダーン
ダッダーン
ダン! カッ、ダンダンダンダンダンダンダン、
ダッダーン
ダッダーン
ダン!どこか遠くから、非現実的な和太鼓の轟きが、幾重にも折り重なってきこえてくる。
音は次第に大きくなり、あたりの空気をビリビリと、あたしを、橋を振動させはじめた。
ダッダーン
ダッダーン
ダン! ダッダーン
ダッダーン
ダン! ダッダーン
ダッダーン
ダン! ダッダーン
ダッダーン
ダン!ジョワジョワという奇妙なささやき声が、上から、下から、背後から・・・四方八方から近づいてきては遠ざかる。
「・・・す、のなのもとに」「えっ?」
ふいに耳元で語りかける声にあたしはびくっとふり返る。
「――ノ、ナノモトニ」
「ナノモトニ!」
「ナノモトニイィ!!」複数の男女の唱和。
エイメン(かくあれかし)
!ヒャッハッハッハッハァ!!背後をさっと走り抜ける何かの影。
ギャギギギギギギギギギギギギギィイイイィイイ!ギャギギギギギギギギギギギギギィイイイィイイ!
軋む音は脳髄を直撃し、映像の群れが、カレイドスコープのように展開する。
吠える虎。コートをまとう赤毛の青年。
女の悲鳴。男の怒号。憂いを含んだ白い横顔。
これは、どこ・・・このひとたちは――――いったい、何をしているの?
折れる剣。宙を舞う小鬼。吹雪の中を飛ぶ白鳥。
黒い牛の頭。炎の瞳をしたアルビノの少女。
過去が、未来が――――
天が裂け、なだれ落ちてくるイメージの奔流があたしを貫き、きりきり舞って虚空へとちぎれとんでゆく。
ギャギギギギギギギギギギギギギィイイイィイイ!ギャギギギギギギギギギギギギギィイイイィイイ!甘い香りをおしのけて、吐き気をもよおす腐臭が立ちこみはじめる。
あたしは欄干から手をはなして後ずさった。
ぬるり――――。
足もとをみると、橋の表面にふつふつねばつく緑色のヘドロがにじみ出ている。
強烈な臭気に、あたしはえずいた。
景色がぐんぐん変わってゆく。
ネガがポジに流入し、ウラがオモテに引き剥がされる。
右が左に、ひだりがみぎに、何もかもが色彩をうしない、かたちなくただよって・・・ただ、どろどろとした非存在へと溶けくずれてゆく。
あたしはまたえずき、現実を求めて手探りする。
だが同時に、どこかで無駄だと悟っていた――――この「変化」は止められない。
知っている。あたしは、知っている。この現象を、知っている。まえにも・・・見たことがある・・・。
カラスがないたら気をつけろ――――――
あれは、おまえの守り神だ・・・・・・忘れるな、ライカ!誰――――?
涙でにじんでよく見えない。
武器、武器が欲しい――――なんでもいいから・・・!
あたしは虚しく全身をさぐり、うろたえて恐怖に震え上がった。
アマツモリだ―――
アマツモリが来ている!異形の宇宙が、世界の裂け目をこじあけている。
胎内に侵入してむさぼり喰らおうと、身を、よじっているのだ。
ふっちゅ!
死にかけの虫が撥ねるように、ヘドロが細長く孤を描いて舞う。
ふっちゅ!
ふっちゅ!ふちゅ!ふちゅ!
ふちゅちゅ!
ふちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅ!
緑の飛沫が、足元を飛び交う。 悪臭をはなつ蝗の群れ。
ヘドロの蝗は火のようにすばやく渦をまき、あたしをとり囲んで退路を断った。
ギャギギギギギギギギギギギギギィイイイィイイ!ギャギギギギギギギギギギギギギィイイイィイイ!音は耳を聾するばかりになり、緑の壁が次第にせりあがってゆく。
猛烈な死臭であたしを押し包み、筒状に天たかくのび上がる。
いま、その上部が閉じられようとしていた。
あたしはなす術もなく眼をみひらいてながめるしかない。
ふいに。
一切の音が消えた。
温度も。
・・・においも。
距離も。時も。 世界のあらゆる感覚が――――消えた。
頭からすっぽりと袋をかぶせられてしまったかのような、薄闇と静寂。
――――――ピシャーンンン・・・ンン・・・・・・・ン。
両手で口を押さえたあたしは。
ゆっくりと、川を見下ろして――――
そこで見たものに、耐え切れず絶叫した。
<続く>
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